「おとり広告」って知っていますか?
『おとり広告』って知っていますか?
不動産業界は、『物件』という情報を新聞折込チラシやチラシ・ダイレクトメールそしてインターネットで消費者へ提供しています。
そして今、賃貸不動産業界のインターネット上では、残念ながら「おとり広告」が溢れています。下記は、朝日新聞(デジタル版)からの抜粋です。
不動産「おとり広告」、ネットで横行 実際は契約済み”不動産業者が、契約済みや架空の物件情報を掲載する「おとり広告」がインターネット上で横行している。消費者庁は今春、業界の自主規制団体「不動産公正取引協議会連合会」に対し、取り締まりの強化を要請した。ネットで物件を探す人が多くなった一方、おとり広告が放置されている、との声があがっていた。”
もし、あなたがおとり広告にひっかかったら?
あなたは、実家暮らし。周りの友達は1人暮らしを始めて、自由を手にいれ楽しく毎日を過ごしています。
あなたは、「わたしも友達みたいに部屋を借りて、自由を手に入れたい!」と思い立ちました。そして、インターネットのポータルサイトで、とても魅力的な物件を見つけたのです。
場所もあなたにとってピッタリ、内装もおしゃれ、間取もいい、そして家賃も手の届く値段。
あなたは、もっと良い物件があるのでは?とそれから3時間掛けて、他の物件と比較・検討しましたが、やっぱりこの物件が一番いいと思いました。場所も値段もぴったりです。この物件でのひとり暮らしを想像するとワクワクします。
実際に部屋を見てみたいと思ったあなたは、取り扱っている不動産会社に電話をすることにしました。不動産会社って何か怖いけど、でもこの物件は見てみたいし、と勇気を出して電話をすることにしたのです。
すると、電話に出た営業マンからは、「もうこの物件は決まってしまいました。この物件と条件の近い物件がご紹介できますので、まずは来店しませんか?」との話が。。。
一瞬、あなたは「勇気を出して、電話したのに私の3時間をどうしてくれるのよ!」と思いましたが、条件の近い物件があるとの話に、まだ私がネットで探しきれていない物件があったのかも知れない。と思い直し、営業マンの言われるまま来店のアポイントを取りました。
そして、来店当日。。。
ひょっとしたら、いい物件を紹介してもらえるかも?と期待を胸に、あなたは不動産会社を訪れました。
ところがです。
担当の営業マンは、ネットで見た物件とは条件は近いものの、写真を見ても、とてもワクワクしないような物件ばかり勧めてきたのです。がっかりしたあなたは、内覧もせずその不動産会社をあとにしました。
部屋探しでこんな経験をしたことのある方は多いはずです。幸い、あなたは希望しない物件を借りなくて済みましたが、中には断りきれず本当に住みたい物件じゃないのに契約してしまったお客さんもいるでしょう。
あなたは、『おとり広告』にひっかかってしまったのです。
なぜ、『おとり広告』はなくならないのか?
おとり広告には、次の3パターンが考えられます。
1.実在しない架空の物件の掲載(例…実在しない住所・地番を掲載した物件)
2.実在するが実際には取引きする意思がなく、家賃(販売価格)を相場よりも
著しく安く表示している物件の掲載
3.実在するがすでに成約済みの物件の掲載
いずれにしても問い合わせると「成約済みです」といった回答の後、ほかの物件をすすめられることになります。つまり、上記3パターンの物件は、不動産会社に問い合わせを増やし、営業機会を得るための「おとり」なのです。
実態としては、1.2のような悪意的なものは少ないですが、3の状態の物件がポータルサイト上には、数多く掲載されたままになっています。
なぜなら、
現在の賃貸不動産会社は、とにかくたくさんの物件を掲載しなければ、お客さんからの問い合わせが増えないからです。なので、数を増やすために、情報の正確さを後回しにしてしまっています。オーナーさんや管理会社に空いているかどうかの確認をしないまま掲載を続けているのです。確認をして成約してしまっていたら、商品数が減ってしまうのですから。
問い合わせがあったらあったで、営業機会が増えるのですから、積極的に確認はしないのでしょう。そして、このタイプの広告がなくらならい一番の問題は、不動産会社自身が『おとり広告』をしている認識がうすいということです。
でも、それは本当にお客さんの為になっているのでしょうか?
また、賃貸仲介会社自身の為になっているのでしょうか?
ポータルサイト上で、時間をかけて比較・検討して勇気を出して電話したあなたの気持ちを考えたら、二度とこの不動産会社へ問い合わせることはないですよね?
もう、情報の量は増えすぎてしまいました。古いデータですが、2009年の世の中の情報量は13年前と比べて71.7倍にも膨れ上がっています。今は、SNSも普及していますので、既に100倍を超えているでしょう。
一方情報の消費量は、2.3倍しか増えていません。すでに、必要以上の情報で世の中が溢れ返っているのです。
なので、これから必要とされる不動産会社は、
〇量より質の高い情報を提供してくれる。
〇高い専門知識で、たくさんの情報からお客さんに合ったものを選んでくれる。
こんな会社が選ばれていくのではないでしょうか?
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