空室対策はいつやるべき?
「入居者さんがこんなに喜んでくれるとは思わなかった。田中さんの言う通り、やって良かったー。」
昨年の12月、集合ポストの取替と宅配ボックスの新規取付を行った管理物件のオーナーからこんな喜びの声をいただきました。
マンションの入居者さんから、「宅配便が来る日はなかなか出掛けることが出来ずに困っていたんです。宅配ボックスを設置してくださってありがとうございました。とっても助かりました。」と直接、お礼の言葉を言われたそうです。
この管理物件の昨年の年間入居率は97.5%。
2戸の退去がありましたが、いづれも短期間で成約してくれ、年間を通してほぼ満室。ポストの工事をした12月も部屋は満室でした。
えっ!空室で困っているから空室対策するって話じゃないの?とあなたは思われたかもしれません。
でも、賃貸経営を安定的に継続していくためには、満室の時にこそ空室対策は行う方がいいんです。
なぜ、満室なのに空室対策するのか?
この物件は、築16年を迎えています。
一時期は、かなりたくさんの長期空室を抱えていましたが、当社で運営をさせていただくようになってから、安定的に満室経営ができています(手前味噌ですが・・)
ただ、築16年を超えたので設備の減価償却費がなくなり、控除額が減ってしまうのが今年から訪れます。
※減価償却費とは、固定資産を経費計上する時に、一度に計上するのではなくその固定資産の耐用年数に応じて毎年分割して経費計上を行う費用を言います。
詳しくはこちら
https://www.smbc-card.com/hojin/magazine/bizi-dora/accounting/depreciation.jsp
なので、今までは実際にお金は出ていかなかったのに、経費計上できていたものがなくなるので、税金が増えてしまうということが起きます。
税金の計算方法は、売上-経費=利益の結果に税率がかかります。なので、売上が多くて経費が少ないと、沢山の税金がとられてしまうんです。
こうやって売上が多い時(=満室の時)に、経年劣化した設備の更新を行うことで、経費を計上し税金を抑える効果があります。税率が30%だとすれば、3割引きで新しい設備が導入できるという訳です。
満室時の空室対策の効果は、以下のようなものが挙げられます。
①節税効果が得られる
②前倒しで空室対策ができる・費用の分散化ができる
③入居者の満足度が向上する(=長期入居に繋がる)
先月に発生した空室も、コロナ禍にも拘らず、1ヶ月ほどで新しい入居者が決まりました。まさしく好循環、オーナーも今回の設備更新には満足して下さっているようです。
一方、長期空室が発生している場合は、設備更新を先延ばしにしてきた結果が長期の空室として表れている訳ですから、まとめて設備更新するとなると大きな費用が掛かりますし、空室があって売上が減っていますから費用の捻出が大変になります。
転ばぬ先の杖、空室対策も計画的に前倒して行っていくことが大切ですね。