株式会社ツイン・ビー
2017年02月04日
空室対策
「負のスパイラル」から抜け出せ!
サンシャイン郡元のリノベーションプロジェクト。
協力業者さんの頑張りのお陰で、「カリフォルニア」リノベーションも完成間近となりました。
築30年の物件とは思えないデザインと快適な空間。
これも、オーナーさんの想いがあってこそ。
でも、今回一番感謝したいのが、このリノベーションを施工してくれた協力業者さんや職人の皆さんです。
実は、予算ありきですすんだこのプロジェクト。
このプロジェクトを仕切ってくれた山城さん(仮)は、責任感が強く物件に愛着をもってやってくれました。
工事過程の中で積もり積もった30年の傷みを予算内でなんとかやりくりしてくれようとしてたのです。
築30年も経った物件は、至るところに傷みが出ています。
扉がゆがんでいたり、床鳴りがしたり、壁の下地が凸凹だったり・・・
写真では分からない部分ですが、そういう長年の劣化まで、丁寧に手直ししてくれました。
しかも、利益を削ってまで・・・
当初の予定利回りより高い家賃で成約した要因には、山城さんの頑張りがあったのです。
表層だけの工事では、この高利回りという付加価値はつかなかったと思います。
僕が施工途中に何度か現場に足を運んだとき、
「やっぱり、過去の原状回復工事の手直し部分が多いっす(泣)」
と漏らしていました。
というのも、リノベーションをする前の家賃は3万円を切っていました。
なので、原状回復工事もそれなりの内容を繰り返し、表層的な部分だけで済まされていたのです。
家賃が取れないのに、工事代ばかりに費用を掛けても採算が取れないからという理由でしょう。
負のスパイラルとは?
この物件は、「負のスパイラル」に陥っていました。
空室が埋まらない
↓
家賃を下げる
↓
収入が減る
↓
工事費用の原資が減る
↓
手直し部分を減らす
↓
きれいにならない
↓
空室が埋まらない
このスパイラルに陥ると、建物の価値はどんどん下がってしまいます。
そして、入居者さんのモラルも使い方も低下していってしまいます。
以前記事にした「割れ窓理論」の考え方です。
それを今回のリノベーションで山城さんがリセットしてくれたのです。
これは物件再生にとってはとても大きな意味を持ちます。
流れを変えるエネルギーの大きさ
突然ですが、
小学生の頃の水泳の授業で、プールの中を皆で洗濯機のようにぐるぐる回ったことはありませんか?
回りだすまでは大変ですが、一度流れができるとまるで流れるプールのように勝手に回りだします。
とても楽しかったのを覚えています。
そして、これを今度は逆回転させる為にみんなで反対方向に回りだします。
この時が一番大変です。ちょっとでも力を緩めると、今までの流れに押し戻されてしまいます。
(この押し戻されるのがまた楽しかったのですが・・)
何が言いたいの?というと・・・
「今までの流れを止める」
ここに一番エネルギーが必要となるのです。
しかも0からプラスよりも、マイナスから0にするほうが何倍もエネルギーが必要なのです。
山城さんが今回してくれたのは、このマイナスから0にする作業だと思うのです。
それも自らの利益を削ってまでして。
その価値をどうしても伝えたかった僕は、
山城さんにお願いして、見積になかったこのマイナスを0に変えた仕事を見積書に起こしてもらいました。
オーナーの理解ある一言
僕はその見積書をオーナーに見せ、内情を説明させてもらいました。
すると、オーナーから
「山城さんには本当に感謝しています。そして、今後もサンシャイン郡元を良くしていって欲しい。」
「その為には適正な利益が出ていないと継続できないのも良く分かります。」
「今後の為にも、今回のこの見積書の金額はお支払いさせてください。」
とおっしゃってくれたのです。
もちろん事業ですので、オーナーの想定利回りが確保できる範囲でです。
「負のスパイラル」を断ち切るエネルギー
これは、オーナーだけ・管理会社だけ・協力業者だけという単独では実現できません。
逆流の中を三者が力を合わせて、一歩一歩進む力が必要です。
そして、マイナスが0になって、プラスの流れが一旦出来上がると
あとは少ない力でも流れていくようになります。
プラスの流れが見えつつある「サンシャイン郡元」
今度は、僕が生まれ変わったこの物件をたくさんの方に知ってもらう為にエネルギーを注ぐ番です。
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