株式会社ツイン・ビー 賃貸事業部
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2018年01月13日
経営・マーケティング

賃貸の解約率と入居者満足度の関係

「頑張って部屋は埋めてくれるけど、同じくらい退去があって空室が減らずに困っている。」

それが、オーナーの悩みでした。

これは、初めてオーナーさんとお会いしたときに、最初に言われた言葉。
僕のビジネスパートナーから「一度相談に乗ってほしい」と紹介されたオーナーです。

物件の解約率と家賃相場の関係

16戸中4戸が空室の入居率75%

賃貸経営上では、とても厳しい入居率です。

ただ、それもよりも気になったのが、オーナーが言う「入居と同じくらい退去が続く」ということ。

昨年1年間の退去数を調べてみると、なんと5戸の解約がありました。
解約率は31%です。

一般的な解約率は20%ですので、31%は異常値と言えます。
その原因を見つけるために、オーナーに時間をもらって調査をさせてもらうことにしました。

この物件は、築30年の物件、新築時の家賃は、

1K 33,000円
2DK53,000円

そして現状の募集家賃は、

1K 28,000円(下落率15%)
2DK50,000円(下落率5%)

でした。30年も経過しているのに、これだけ下落率に留めているのは凄いことです。建物は当然年々古くなりますので、家賃は下落していくからです。

おおむね
築10年で11%~12%
築20年で20%程度下がるのが一般的です。

築30年ならもっと賃料は下落します。

家賃の下落率を詳しく知りたい方はこちら
https://twinb.co.jp/page/investment/151

周辺相場と家賃下落率を踏まえて、僕が査定をした評価賃料は、

1K     23,000円
2DK42,000円

という賃料でした。

この家賃を提示されたオーナーは大変ショックを受けましたが、問題の原因を改善する為には避けられない事実です。

相場より高い家賃で決まることは、一見すると良いことのように見えます。
あなたにとっても、仲介会社さんが高い営業力をもって、高い家賃で決めてくれるのは何より嬉しいことですよね。

事実、この物件は相場より高い家賃で決まっていました。
ですが、一方で全体の平均空室期間は約9ヶ月と長期空室を余儀なくされていたのです。そして、せっかく高い家賃で決まっても入居者さんが短期間で退去してしまう。それが、解約率が高い原因です。

 空室率が低かった時代は、廻りに空室はそんなになかったでしょうし、インターネットも普及してなかったので、その情報を入居者さんは得ることもできませんでした。

でも、今はあなたの物件の周辺にも空室はいっぱいありますし、インターネットで簡単に近隣の家賃が分かってしまうのです。

今の時代、相場賃料より高い家賃で入居した方は、住んでから回りにもっと安い物件があれば移ってしまいます。

あなたも経験があると思いますが、気に入って買った洋服が、暫くたってお店に行った際にセール品として安く出ていたら損した気分になりますよね?

この「損した気分」が、入居者満足度の低下を表します。

つまり、「解約率の上昇」=「入居者満足度の低下」

であること意味しているのです。
毎年の解約率の推移を計測することは賃貸経営では必須です。

年間解約率=解約数÷総戸数×100

あなたの物件も、ぜひ解約率をチェックしてみることをお勧めします。
「年々解約率が上がっているな」
と思ったら、いつの間にか周辺相場より高い家賃になっているかもしれません。入居者さんはあなたが思っている以上に、周辺の家賃相場を知っています。

3つの入退去コストを把握する

そして、賃貸経営での大きなコストの1つは、「入退去コスト」

〇リフォームコスト
〇広告コスト
〇空室コスト

この3つのコストと入居期間のバランスが崩れてしまうと、賃貸経営はとても厳しくなっていきます。

この物件は、短期間で退去しているにも関わらず、入退去コストに家賃1年分も掛ってしまっていました。

正に穴の開いたバケツで水を汲んでいるような状態です。
労力(=経費)ばかり掛って、水(収入)が溜まらないのです。

この経営状況が可視化されて、初めて問題点と改善策は見えてきます。
過去1年間の収支状況と入退去コストの資料をオーナーに見てもらいました。

そして、オーナーの経営判断は3つ
1.今の状態を続ける
2.周辺の家賃相場に合わせて、家賃を減額する。
3.リノベーションを行って、家賃に見合った付加価値を付ける。

物件を取得してまだ5年経っていなかったのもあり、今後も物件を保有していきたいと思っていたオーナーが取った選択肢は3の「物件に付加価値をつける」でした。

新規リノベーション始動

「家賃に見合ったサービスを入居者さんにしっかり提供して、長く快適に住んでほしい」

これがオーナーの経営方針でした。
プロパティマネジメントの基本理念と合致します。

僕は喜んでお手伝いをさせていただくことにしました。

 

リノベーションプランを提案し、1月から空室の工事を開始。
また、既存の入居者さんが「損した気分」にならないようにと、物件をインターネット無料化してサービス向上策も取りました。

築30年でも入居者さんが喜んで住みたいと思ってもらえる物件にして、オーナーの希望する家賃をいただけるようにしていかなくてはいけません。

幸いにしてこれから異動シーズン本番。
どんな部屋が出来上がって、どんな入居者さんが入居してくれるのか?
とても楽しみです。

この記事を書いた人
田中 祐介 タナカ ユウスケ
田中 祐介
分譲マンション販売営業5年、賃貸管理10年、賃貸仲介3年、18年の不動産業界で培った知識と経験が、出会ったお客様の役に立てることを何よりも嬉しく思います。
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