『データでみる賃貸業界』
内見せずに契約するケースが約1割で増加傾向
空室対策を考える上で大切なことは、あなたの空室をまず知ってもらうこと。
その為には、お客さんがどんなプロセスで部屋探しをしているのか?
それを知ることが重要です。
全国賃貸新聞(2017.2.27)に興味深い記事が掲載されています。
これは、賃貸ポータルサイトSUUMOを運営するリクルート住まいカンパニーが行った調査。
2015年度の賃貸契約者981人の実態調査なので大いに参考になります。
調査1)部屋探しに利用した情報源は?(複数回答)
1位 PCサイト 51.4%
2位 不動産会社に直接訪問 30.5%
3位 スマートフォンサイト・アプリ 29.6%
1位のPCサイト利用率は横ばいですが、3位のスマホ利用率が年々上昇しているようです。
次は2位の不動産会社訪問を抜いて2位になっているのでは?
既にウェブ上での部屋探しが8割を超える世の中になっています。
調査2)部屋探しのために訪問した不動産会社店舗数
1位 1店舗 46.5%
2位 2店舗 26.9%
3位 3店舗 10.7%
4位 0店舗 9.9%
平均は1.6店舗で年々減少傾向にあるようです。
調査1の情報収集をウェブ上で行っているので、複数の不動産屋さんに行かなくてよくなっているのですね。
驚くべきは、部屋探しに店舗に行かないという人が1割(4位)もいます。
ウェブ上で物件を決めてしまっている?
調査3)部屋探しの際に見学した物件数
1位 3件 21.7%
2位 1件 17.6%
3位 5件 16.5%
4位 2件 17.6%
5位 0件 10.2%
物件の見学数は、平均で3.1件と過去3年間の調査で最も少ない結果に。
更に、0件と物件を見学しないで契約したケースが1割あり増加傾向にあります。
ウェブ上での情報が充実してきた結果、実際に見なくてもよいという人が増えている?
調査4)内見動画で希望する内容(複数回答)
1位 部屋の中を実際に移動し、動線がわかる動画 74.1%
2位 リビング、各居室全体を写した動画 62.8%
3位 キッチンや水回りの設備を稼動させている動画 57.5%
4位 収納スペースの中を映した動画 53.3%
5位 部屋からの眺望を映した動画 53.5%
部屋の動線が分かって、居室全体の様子も分かって、水周りの使い勝手が分かって、
収納量が把握できて、眺望も知りたい・・・
これって、内見したときに確認することばかりです。
これらをウェブ上で確認できれば、実際に見に行かなくても契約できるってことなのでしょうか?
事実、1割が実際に部屋を見ずに契約するようになってきています。
賃貸の戦場は「ウェブ上で起きている」!
部屋探しを始めてから契約するまでの平均日数も過去最短の22.1日なのだそう。
これは、不動産屋さんに行かなくても、ウェブ上で情報収集が出来るので部屋探しの効率化が進んでいる表れです。
近い将来、ウェブ上で『申し込みボタン』をポチって押して、契約できるようになる日が来るのも近いかもしれません。
いずれにしても、これらの調査ではっきりしていることは、賃貸の戦場は「ウェブ上で起きている」ということ。
僕が仲介の仕事をしていた時、一番心がけていたのは
「この物件のことが気になってるんですけど、田中さんはどう思いますか?」
とスマホを差し出しながら相談をしてもらえるようになること。
なぜなら、お客さんはウェブ上でたくさんの物件を見た上で来店しているから。
お気に入り登録された物件と僕の提案がずれていれば、信頼してもらえないからです。
大家さんの立場からすると、
お客さんのスマホの中に自分の物件をどうやったら「お気に入り登録」してもらえるか?
が大切になってきます。
なので、これからの管理会社は、物件がウェブ上で競争にさらされることを前提に、
物件の商品化・差別化を大家さんに提案していくことが益々重要になってきますね。
ウェブ上での競争に勝つ為の空室対策ならこのセミナーがお勧めです。