空室対策は経営そのもの?!
「鹿児島は人も減っていって、賃貸経営はもう厳しいんじゃないかと諦めていたが、今日のセミナーを聞いて、経営次第でなんとかなるんだと勇気をもらった。」
これは、セミナー後に参加者の一人からいただいた言葉。80歳代と思しき男性オーナーの熱のこもった声がとても印象的でした。
かつて『建てれば満室』の時代がありました。
マンション投資には、経営など不要。
右肩上がりで人口が増えていた時代です。
しかし、今は人口減↓の中、物件は供給される一方↑
賃貸業界は、アパート・マンション同士の競争が激化しています。
鹿児島市でも空室率は20%を超える時代になりました。5戸に1戸は空の状態です。
最大手の賃貸ポータルサイト「SUUMO」の情報をみると、
3月末の今日現在で新築賃貸マンションの空室情報はまだ1000戸以上が募集中です。
ライバルがひしめく中、この競争を勝ち抜くためには、賃貸事業にも『経営』が必要な時代が訪れたのだと思います。
そもそも『経営』って何?
それでは、『経営」とはそもそも何なのでしょうか?
国語辞典を調べてみると、、
経営とは・・ 『事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。また、そのための組織体。』
とあります。
一方、よく似た言葉で「運営」という言葉があります。
これも調べてみると、
運営とは・・『団体などの機能を発揮させることができるように、組織をまとめて動かしていくこと。』
とあります。
ここで質問です。
不動産会社は、あなたにとってどちらを担ってくれていますか?
答えは「運営」ですよね?不動産会社がしてくれるのは、「経営」ではなく「運営」なのです。1文字違うだけですが、その中身は全く異なります。
運営の定義には、「事業」とか「収益」とか言った言葉は一切出てきません。運営の目的は、「機能を発揮させること」=「効率化」となりますので、経営とは似て非なるものなのです。
・効率よく空室を募集する。
・効率よく物件の修繕を行う。
・効率よく家賃の回収をする。
不動産会社は、あなたにとって賃貸事業の業務を効率よく「運営してくれる」存在であることを認識しなければなりません。
賃貸事業の目的とは、入居者を獲得して家賃という対価を得ること。
そのために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移す行為を経営というのであれば、正に空室対策そのものが経営と言えるでしょう。
そう考えると、空室対策は不動産会社の仕事ではなくオーナーの仕事だという捉え方になりませんか?
オーナーが抱える賃貸経営の悩みとは?
賃貸経営で抱えるあなたの悩みは何ですか?
■家賃が下がる一方だ・・・
■空室が埋まらない。一旦空くと長期化してしまう・・・
■リフォームをしたのに、空室が埋まらない。
■色々な空室対策の情報があるが、情報が多すぎて何をしたら良いか分からない。
■不動産会社からリフォームや設備導入を勧められるが、それで空室が埋まるかどうか不安。
■リフォームや設備導入にどのくらいお金を掛けるべきなのか分からない。
代表的な経営の悩みは、家賃の下落と空室の長期化の2つですね。
この悩みの原因は、お分かりのように需要と供給のバランスが崩れたことが原因です。
右肩上がりの時代の経営戦略は「効率化」の追求で充分でした。
建てれば建てただけだけどんどん借りる。さらに物件を増やせば、それだけ借りる。つまり需要と供給のバランスでいうと、需要の方がはるかに大きかった時代です。
需要=入居者は最初からいるわけですから、より効率的に作ること、より効率的に売ることを考える。効率を上げれば利益率が高くなって、より儲かるようになる。
これが、今までの賃貸事業のビジネスモデルです。
でも、今はモノが市場に行き渡ってしまいまいした。需要と供給の関係は逆転して、供給が圧倒的に大きくなった。そんな「モノ余り」の状況で、いくら「効率」を追い求めても、それだけでは売れない時代になってしまったのです。
供給力=効率を強化した結果、物件だけが増えて、お客さまは物件を選び放題になってしまった。その結果、お客様に「選ばれる物件」にならない限り、収入が得られない状況になってしまったのです。こうなると「効率」は何の武器にもなりません。
今からの賃貸経営で必要なこと。
それは「選ばれる物件」になって、需要を作り出すことです。
需要を作り出すことは、あなたの経営次第で可能です。選ばれる物件になればよいのですから。
ただ、誰でもそうですが、経営資源(=お金)は限られています。限られた資源をどうやって最大限に活用して、選ばれる物件にするのか?この視点が今後の賃貸経営には不可欠です。