株式会社ツイン・ビー 賃貸事業部
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2017年09月09日
経営・マーケティング

賃貸経営におけるリフォームの目的は?

7月から新たに管理受託したマンションに退去がありました。
谷山中央にある3LDKのファミリータイプ。
物件名は『フェニックスハイツ』。谷山街道から一本入ったとても静かな環境で、谷山駅からも徒歩6分の好立地物件です。

協力業者の山城さん(仮称)と一緒に、リフォーム内容の打ち合わせを現地で行いました。

賃貸事業のリフォームの目的とは?

リフォームは、マンション経営の中で支出の大きな割合を占めます。
賃貸物件の解約率は、シングルタイプで20%~25%、ファミリータイプで15%~20%と言われています。

つまり、総戸数10戸のシングルタイプの賃貸であれば、年間2~3戸の部屋が退去となり、リフォームが発生するのです。
なので、この支出をどのようにコントロールするかが、マンション経営の成否を決めることになる訳です。

リフォームを行う上で最も重要なのが『費用対効果』ですが、そもそもリフォームを行う目的は何でしょうか?

それは、

①資産価値の維持・向上

②成約率の向上

この2点に尽きると思います。

賃貸事業は家賃収入によって物件の価値が決まります。建物は年々古くなっていきますので、それに歯止めを掛ける復旧工事は必ず必要ですし、場合によっては価値を上げるバリューアップ工事を行うことも長期的な経営視点では必要になります。

また、ただリフォームするだけでなく「内見していただいた入居希望者にいかに申し込んでもらうか?」といった工夫が必要です。工夫とは、クロスや設備に流行のものを使ったり、色調を変えるといったことです。

当たり前ですが築20年を過ぎた物件は、20年前の流行を元に造られています。現在のニーズには合わないものがたくさんあります。それを更新していく作業が必要です。

ただ、残念ながらこの支出を敬遠するあまり、上記の2点の目的がそもそも達成でききていない為に、長期空室化している物件も市場にはたくさん存在しています。

「原状回復」と「バリューアップ」は分けて考える

上の写真は、今回空室となった部屋のものです。
床下収納の取っ手が壊れていたり、キッチンのコーキングにカビがあったり、玄関ドアの塗装が剥れたりしています。

これらの項目は「原状回復」にあたります。経年劣化したマイナスをゼロに戻すものです。いわば復旧工事ですね。

過去の記事でも書きましたが、この復旧工事がなされていない物件は意外と多いです。これらは、「やる・やらない」の判断ではなく、やらなければ物件を運営できない工事だと考えるべきです。

これらを放置していくとどんどん物件は陳腐化し、家賃の値下げ圧力に押されていく原因となります。お客さんから、

「築年数の割にはとても綺麗ですね。」

と言われる物件はこの復旧工事がしっかりしています。なので、費用は抑えることはもちろん必要ですが、必ずやるべき工事は抑えておかなくてはいけませんね。

一方の「バリューアップ」工事は、原状回復と異なり必ず行わなければいけないものでなく、「費用対効果」を考えて「やるか・やらないか」を判断する工事です。

 

例えば、トイレの温水暖房洗浄便座(ウォシュレット)やリビングのエアコンを新規に取り付けるかどうか?

現状のままと交換した場合とで比較して、どういった効果が得られるのかを考える必要があります。賃料アップなどに効果が表れなければ、無意味な支出となってしまします。

その費用を掛けることで、どれだけの賃料を取れるか?賃料下落をどれだけ食い止められるか?売却価格にどれだけ反映されるか?

といった投資基準を持つことが必要です。
そして、こういった判断をするためには、入居希望者が何を求めているかをそもそも知らなくてはいけません。

また、導入する設備やリフォーム内容にしても、優先順位が発生します。
とある賃貸物件を案内したときのことです。予算4万円で1Kタイプを探していたお客さんでした。

その物件は、壁クロスも床も全てデザインリフォームが施されていて、築20年以上には見えない綺麗さでした。お客さんも部屋に入った瞬間、

「うわー!これで4万2千円ですかー。いいですねぇ。」と一瞬盛り上がったものの、結局この物件は見送られてしまいました。

その原因は、洗濯機置場がベランダ(外)のままだったからです。

4万円の家賃を払うお客さんにとって「室内洗濯機置場」はあって当然の設備です。
あって当然のものがないと、他がどんなに良くても決まらないことがあるのです。

支払われる家賃に対する事前期待値として必須の設備を抑えておくことは重要です。

また、リフォーム内容を決める上では、経営方針、現在の入居率、年間収支予測、確定申告の内容なども加味する必要があります。

例えば、項目によっては資本的支出となり、減価償却をしていかなくてはいけなくなりますので、キャッシュフローを悪化させてしまいます。短期保有なのか、長期保有なのかといった部分も含めて検討する必要があるでしょう。

 

工事業者と意識共有ができるかどうかが鍵

さて、このフェニックスハイツのリフォームの打ち合わせですが、
山城さんとは、これまで二人三脚でリノベーションを進めてきた間柄。

なので、プロパティマネジメントの考え方や投資基準、そして「復旧工事」と「バリューアップ工事」の違いも理解してくれています。また、管理スタート時の入居者アンケートで分かった不具合が発生しやすい場所も全て掌握してくれています。

山城さんから
「ここはやっとかないとクレームになりますよね。」
「この工事はバリューアップに入れますか?」
「ここは取り替えなくても修理で大丈夫です。」

といった進言がその場で出てきました。
とても心強いですね。山城さんは、自分の顧客がオーナーであり、入居者であることをこの1年でしっかり理解してくれています。

これが、コスト意識のないリフォーム会社さんだと、交換する必要のないものを交換したり、不必要な工事も追加されたりします。また、工期が長くなってしまうと機会損失が大きくなってしまいます。

通常、工事業者は入居希望者の要望やオーナーの意向を全て理解してるわけではありません。それらを踏まえて、工事業者に指示を出すのが我々管理会社の仕事なのですが、この1年で山城さんと意識を共有することができ、抑えるべきところをしっかりやってくれるのがほんとありがたいですね。

その証に、山城さんにお願いしたリフォームの入居直後のクレームはほぼゼロです。
信頼できる工事業者と意識共有が取れることで、ムダ・ムリ・ムダを減らすことができます。それが、オーナーの利益に繋がりますので、工事業者との意識共有はとても重要なのです。

今週には見積が出てきます。オーナーと見積を元に今後の経営方針を踏まえ、お客様に喜んでもらえる部屋を作っていきたいですね。

この記事を書いた人
田中 祐介 タナカ ユウスケ
田中 祐介
空室率が年々上昇する鹿児島市の賃貸不動産事業では、事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。長年に渡って培った賃貸経営管理(プロパティマネジメント)の知識と経験で全力でオーナーの経営のサポートをいたします。
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