賃貸経営は思ったほどお金が残らない?
賃貸経営をしている方と話をして良く聞く言葉。
「お金が思ったほど手元に残らない。」
よく聞かれる言葉です。
賃貸アパート・賃貸マンション投資をしているのですから、外から見ればお金が残らないなんて不思議ですよね。
でも、現実には良くあるのです。その原因はどこにあるのでしょうか?
あなたの賃貸経営の計算式は?
あなたが思い描く賃貸経営の計算式は、下の式のような形だと思います。
家賃収入ー費用=利益(手残り)
もうすこし、分解してみると・・・
(見込家賃ー空室損)ー(※運営費+ローン支払い)=利益
こんな感じなのではないでしょうか?
※運営費とは、大別すると以下の4つになります。
1)メンテナンス費(清掃代・点検費用・電気代等)
2)管理手数料(管理会社の報酬)
3)修繕費(室内・共用部分の修理代)
4)営業費用(広告宣伝費など)
(ちなみにプロパティマネジメントでは、家賃収入から空室損と運営費を引いたものを『NOI(ネット・オペレーティング・インカム』と言います。)
これは営業利益(税引前)に相当します。
例えば、1億円の物件を購入して、家賃収入が1000万円あるとします。
表面利回りは、1000万円÷1億円=10%ですね。
そして、空室損料と運営費の合計が300万円だったとします。
そうすると、1000万円-300万円=700万円が営業利益。
実質(NOI)利回りは、700万円÷1億円=7%ということになります。
実際の例で見ると分かりやすいので、簡単な表にしてみました。
※分かりやすくする為、切りの良い数字で簡略化しています。
※借入金を1億円(全額ローン)とした場合です。
左側の図を見ると、
売上が「運営費」と「営業利益(NOI)」に別れ、
「営業利益」が「ローン」と「手残り(税前)」に分かれるのが見て取れると思います。
あなたの賃貸経営の計算式はこんなイメージなのではないでしょうか?
右の図が詳細の数値を入れたものです。
家賃収入から運営費とローンを差し引くと、手元に250万円(税前)残っています。税金を差し引いても、手残り205万円です。(税率30%と仮定)
これを見てあなたは、
A「1億円も投資したのに、200万円しか残らないの?」
B「自己資金0円(諸経費は別)で毎年200万円残るなら、充分残っているじゃないか」
どちらに感じましたか?
そもそも、1億円というお金は自分のお金ではなく、銀行から借りてきたお金ですから、実際に投資した額は諸経費の金額だけです。
なので、Bが正解ですね。
投資した当初は、たとえ自己資金0円でもこうやって手元にお金が残ります。
ですが、これが年数を経過したらどうなるでしょう?
数年後のキャッシュフロー(手残り)はどうなる?
物件も年数を経過することによって、購入当初とは変化してきます。
上の図は、同じ物件が15年経過したと仮定した場合のキャッシュフロー図です。
右側の赤枠で囲ってあるとおり
1.家賃の下落
2.空室期間の長期化
3.募集費用や補修費の増加
あなたもよく知っている通り、3つが最も大きく変化(悪化)してしまう部分ですね。当初あった7%のNOI(実質)利回りも、5.5%まで下落してしまっています。
何より一番減ってしまっているのが、
『税引後キャッシュフロー』です。
なんと、200万円程度あった手残りが、40万円にまで減っています。これが、「思ったほど手元に残らない。」という賃貸オーナーが多い理由です。
なぜ、手残りが1/5にまで減ってしまうのか?
一番の原因は、700万円あった営業利益が550万円にまで下がっています。
やはり、家賃の下落と空室損が一番、経営に大きく影響する部分なのですね。
実際に数字に出してみると賃貸経営の肝はやはり
・賃料の下落をいかに止める(あるいは緩やかにする)か?
・空室期間の長期化(空室損)をいかに防ぐか?
この2点につきます。
つまり、「空室対策」をどう講じるかですね。
ただ残念ながら、「家賃の下落率」と「空室損料」は税理士さんに聞いても分かりません。なぜなら、帳簿上には全く出てこない数値だからです。
ですが、賃貸経営では何よりも大切な指標となります。
対策の第一歩は、現状を知ることです。
まずは重要なこの2つの数字を把握してみてはいかがでしょうか?
プロパティマネジメントの使命は、営業利益(NOI)を上げることです。
賃貸経営代行(プロパティマネジメント)を行っている当社では、この指標を計測し経営改善のお手伝いを行っています。
もし、あなたが「思ったよりお金が残らない」と思われているなら、お気軽に当社へご相談下さい。