キングコング西野亮廣 独演会に行ってきました!
素晴らしいマーケッター
先日、お笑い芸人キングコング西野さんの独演会に行ってきました。
今の彼の立ち位置は、なんと「絵本作家」。
実は、僕はこの日をとても楽しみにしていました。
なぜなら、ひとつは、彼の絵本『えんとつ町のプペル』を読んで、とても感銘を受けたから。
もうひとつは、この絵本が業界では異例とも言えるセールスを記録しているから。
西野さんの独演会を聴いた第一の感想は、
「なるほど。彼は素晴らしいマーケッターなんだな。」と率直に思いました。
絵本業界は、5000部から1万部売れたら良い方だそうです。
そんな中で、『えんとつ町のプペル』は、既に30万部に届く勢いです。
絵本業界では今まであり得なかった販売部数です。
なぜ、西野さんにはこんなことができたのでしょう?
1.自分の「強み」を深堀りした
彼は、100万部売れる絵本を作る為にはどうすればよいか徹底的に自分の強みを深堀りしたそうです。
そして、出した結論、他の絵本作家になくて自分にある強み。
それは「時間」だったそうです。
えっ!そんなん強みでも何でもないじゃん。
ってあなたも思われたでしょう。
でも、彼は本気で「時間」こそが自分の強みだと信じ、その本の構想に4年も費やしました。
ほとんどの人は4年も我慢なんてできませんよね?彼の耐力に脱帽です。
2.クラウドファンディングを活用した
彼は100万部売る為に、クラウドファンディングを利用して資金を集めました。
その目的は2つ。
①制作費を集める為(彼は絵本を分業制にして、各方面のプロを集めました)
②彼の考えに共感して資金を提供してくれた方々を顧客化した
独演会の中で、
「絵本を作ったら必ず1冊は売れますよね。自分自身が買うから。
じゃあ、作り手を増やせばもっと売れるじゃないですか?」と彼は言っています。
クラウドファンディングで応援してくれる(作り手に回る)人を増やしたのです。
3.作品自体をインターネット上で無料公開した
この手法は、顧客ファーストに基づいた考えで大きく成功した要因になっています。
なぜなら、絵本を購入するのはお母さんだから。
子供に読み聞かせをするのが絵本です。
お母さんは、絵本を買うときは子供の為になる絵本かどうか最後まで読んでから買います。
そして、今のお母さんは時間がありません。共働きで忙しいわけです。
ネット上で読めてしまったら買う人が減って、クリエイターの食いぶちがなくなるという批判があったようですが、ネット無料公開で多くの人に知ってもらい、やっぱり紙の絵本を手元に欲しいと言う方が増えて売れる要因となりました。
『えんとつ町のプペル』の無料公開ページはこちら
http://spotlight-media.jp/article/370505056378315909
全て戦略をもって、マーケティング活動を行った結果が30万部近い販売部数という結果につながっています。
素晴らしいマーケッターだと思いました。
彼が、どうしてここまで徹底していたかというと
「クリエイターは作ったら終わりではなく、お客さんの手元に届くまで責任を持つ」
「作っておしまいは、出産して育児放棄をするのと一緒」
という基本理念のようなものがあったそうです。
僕が一番共感した部分はここです。
いい物さえ作れば売れるのは昔の話。
今は、どうやって知ってもらって、手元まで届けるかが大事。
僕のやっている賃貸管理の仕事も、空き部屋をどうやってお客さんに知ってもらうか?
ここが最も重要で難しいところなのです。
ネットには常に10,000件以上の空室が公開されています。
その空室の海に溺れてしまわないようにどうするか?
その意味で、西野さんのこの独演会は大変勉強になりました。
彼のインターネットを使った手法は、絵本業界では前例がないことばかりだったので、多くの批判も受けたようです。
ですが、現在、不動産業界も確実にインターネットに影響を受けています。
彼の成功から何かパクれるものはないかな?
思わずそう思ってしまいました。
今回の鹿児島での独演会を実現したのは、鹿児島に住む「児島さゆりさん」という一人の主婦です。
彼女は西野さんの書く絵本に感動し、
彼の書いた絵本「えんとつ町のプベル」を鹿児島県全ての学校に寄贈し、いじめをなくしたいと
思い立ち、クラウドファンディングでその資金を集めました。
そしてなんと、601人もの方から2,940,500円の支援を集め
西野さんの独演会を実現させました。
彼女の行ったクラウドファンディングの詳細はこちら
https://faavo.jp/kagoshima/project/1790
この素晴らしい行動力に脱帽です。
絵本に出てくる「ルビッチ」のように、独演会の開催をずっと信じぬいたからなのだと思います。
彼女のお陰で、独演会を聴けたことに心から感謝しています。
児島さん、ほんとありがとうございました。