株式会社ツイン・ビー 賃貸事業部
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日・祝祭日
2016年09月02日
現場管理

賃貸クレームにどう対応するか?

思わぬゲリラ豪雨の被害!

 

あれは、猛暑の続く8月のある日のこと。
ちょうどゲリラ豪雨という言葉が、ニュースで話題になっていたときです。

 

昼間は太陽がじりじりと肌を刺すように日差しの強い日でした。

ところが一転、夕方から突然空があつい雲に覆われ、びっくりするような雨が市内を襲ったのです。

 

頻繁に雷が鳴り、外はバケツをひっくり返したような雨。

管理物件に何もなければいいけど...と皆、勤務しながら心配していた矢先。

こちらの思いとは裏腹に会社の電話が鳴りました。


「Aマンションの入居者の者なんですが、マンションの立体駐車場が動かなくて

車が出せないんですが。」

 

「そうなんですか?大変申し訳ありません。操作盤には何か表示がされています

でしょうか?」

 

「E-55って表示が出てます。予定があって急いでるんで早く直してもらえませんか?」

 

「申し訳ありません。専門業者の手配をして現地確認に伺いますので、

暫くお待ちいただけませんでしょうか?」

 

「分かりました。とにかく早くしてください。」

 

このマンションは、会社から車で3分程度と近いところにある、天文館(繁華街)と

鹿児島中央駅の中間点にある立地のよいグレードの高い賃貸マンション。

 

間取も人気の1LDKで、上層階からは桜島も一望できます。

なので、入居者さんも看護士さんや上場企業の社員さんなど高収入の方が入居

していました。

 

そして、トラブルのあった立体駐車場は、10台が収納可能で全て契約中です。

 

僕は、すぐに立体駐車場のメンテナンス業者に調査・復旧の依頼の電話をし、

現場に向かおうと席を立ちました。

 

が、その時はなぜか、(ちょっとこれは先にオーナーに報告しておいたほうが良いかも?)

と思い直しオーナーへ電話をすることにしたのです。

 

「いつも、ありがとね!」が口癖


「お世話になります。田中です。」
「あら田中さん、元気?いつもありがとうね。」

 

Aマンションのオーナーさんは、県外に住んでる会社を経営する女性社長です。

 

僕が電話をすると、「いつも、ありがとね!」から会話を始めてくれるとても大好きな

オーナーさんの1人でした。

 

「山下社長(仮)、実はAマンションでちょっとトラブルがあって報告の電話なんです。」

 

「どうしたのかしら?」

 

「今、鹿児島はゲリラ豪雨なんですが、たぶん雷の影響で立体駐車場が故障して、
入居者さんから車が出せないと、クレームの電話をいただいたところなんです。」

 

「まあ、それは大変ね。すぐ直せるの?」

 

「駐車場のメンテナンス業者には、今、現地調査の依頼をしましたので、

原因が分かるのはこれからなんですが...」

 

と、この後、今後の入居者さんの対応について、相談しようと言い掛けたとき、

山下社長のほうから、

 

「時間が掛かるかもしれないわね。入居者さんが車を出し入れできないと、

大変だから、タクシー代とか、代替の駐車場代とか申し訳ないけど手配して

あげてくれる?」

 

僕から相談しようと思ったことを、なんと先回りされてしまったのです。

 

「はい、分かりました。相談しようと思ったことを先に社長に言われちゃいました。」

 

「入居者さんの対応は田中さんに任せてるんだから、入居者さんから、

さすがいい管理会社さんだ。って言ってもらえるぐらいしてあげてちょうだいね。」

 

「ほんと、ありがとうございます。」

 

「これから、現場に行きますので、原因が分かったらまた報告しますね。」

 

「私への報告は入居者さんへの対応が終わってからでいいからね。」

 

「わかりました。」

 

電話を切った後、僕の現場に出向く足取りが何倍も軽くなったのは言うまでもありません。

 

僕が現地へ行くと、すでに立体駐車場のメンテナンス業者も到着していました。
案の定、雷で基盤が故障していて、部品の取替えが必要なので、復旧には2・3日

かかるとのこと。

 

電話をしてくれた入居者さんは、メンテナンス業者の「あー、こりゃだめだな。」との独り言に

目に見えてイライラしている様子。

 

僕は、山下社長との打ち合わせを踏まえ、入居者さんにお詫びをして、

故障の原因を説明、そして復旧までの費用を全額こちらで負担することを伝えると、

 

「まあ、天災だから仕方ないですね。費用負担ありがとうございます。」
と、快くタクシー利用に理解を示してくれたのです。

 

僕が到着したときは凄い剣幕になっていたのに、全額負担を提案するのと同時に、

穏やかな顔になっていきました。

 

お金うんぬんではなくて、こちらから先に提示できたことが功を奏したのです。

 

その後、僕は会社の皆で手分けして立体駐車場を利用している9名の入居者さんに

電話を入れることにしました。

 

現地で対応した入居者さんのように、故障の原因と復旧の目処、そして費用負担

について、こちらから先に説明・提案すると、他の入居者さんの理解もスムーズ

に得ることができました。

 

入居者さんの中には、

 

「これから、自宅に戻ろうとしていたので、先に連絡もらえて助かりました。

近くのコイン駐車場に停めておきます。ありがとう。」

 

と、迷惑を掛けているのに「ありがとう。」って言われるなんて!

 

山下社長の一言があったおかげで、対応に追われることもなく、入居者さんから

逆に感謝されることができたのです。

 

お客さんからのクレームにどう対応するか?

 

『クレーム対応』という管理会社の中で、最も多い後ろ向きな仕事が、感謝される

仕事に変わった瞬間でした。

 

「お客さんは、起こった事実に対して怒るのではなくて、どう対応されたかと感じた

ことに対して怒るんだということ」

 

そして、

 

「お客さんのクレームに対応することは、仕事上の職責として捉えると同時に、

お客さんとの関係を向上させる機会にもなるんだ」

 

ということを、身をもって理解できた日でもありました。

 

クレームに頭を悩ます賃貸管理会社社員

 

管理会社は、毎日のようにクレームや相談・色々な電話が入居者さんから掛かってきます。

 

例えば、、、

 

「無断駐車があって、車が停めれない。どうしてくれるんだ?」
「マンションに置いたあった自転車が盗まれた。どう責任を取ってくれる?」
「夜中に上がうるさくて寝れないから、夜お前も確かめに来い!」

 

などなど...

 

一見すると、理不尽と思えるような内容もありますが、このように言ってくる

お客さんは、実は本当に管理会社が悪いと思って言っているわけではありません。

 

実は、クレームのほとんどは、日常生活で蓄積されたお客さんのストレスの許容

レベルが、あるきっかけ(無断駐車・盗難・騒音など)を原因に限界を超えてしまい、

それに耐え切れなくなって、ただ電話口に出た人を攻撃してしまうものなのです。

 

それを、理解せずに責任逃れをしようとすると、尚更お客さんは激怒します。

 

山下社長のように、お客さんの身になって「それは、大変!」とまず共感し、

相手の立場を理解することが何よりも大切です。

 

(こう言っている僕も、仕事のストレスの許容レベルがギリギリだと、お客さんの

立場で共感できない時もあるのですが。。。。)

 

それまで山下社長は分かっていて、

「入居者さんから、さすがいい管理会社さんね。って言ってもらえるような対応をしてね。」

と僕に指示を出してくれたのだと思います。

 

余談ですが、後日、オーナーが掛けている火災保険申請をしている際、

立体駐車場の修理費用はもちろん、入居者さんへの対応費用についても保険金が

出ることが分かりました。

 

山下社長の費用負担は0円で済むどころかプラスになったんです。

 

それを社長へ報告すると、
「あら、そうなの?知らなかったわ。でも、それは良かった。それより、

入居者さんに良い対応してくれてありがとね!」

 

当のご本人は保険の契約内容は全く知りませんでした。

実は、このオーナーさんは、何億円もするであろうこの賃貸マンションを

現金で建設しています。

 

「いつも。ありがとね!」と決まって言う山下社長の口癖に、何か富の引き寄せの

法則があるような気がして、どうやってその口癖が生まれたのか僕はとても

知りたくなったのでした。

この記事を書いた人
田中 祐介 タナカ ユウスケ
田中 祐介
空室率が年々上昇する鹿児島市の賃貸不動産事業では、事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。長年に渡って培った賃貸経営管理(プロパティマネジメント)の知識と経験で全力でオーナーの経営のサポートをいたします。
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