評価制度 ── なぜ「行動主義」と「コンピテンシー」なのか
人事評価は何のためにあるのか。
ツイン・ビーでは、評価制度を「人材育成」のための仕組みと位置づけています。社員の褒めるべき点、伸ばすべき点、改善すべき点を評価し、明らかにすることによって気づきを与え、成長を促す。
それが評価の目的です。この記事では、当社が「行動主義」と「コンピテンシー評価」を採用した理由と、その仕組みについてお伝えします。
第1に「行動主義」に基づいて評価する
評価制度の設計に当たって、「何を基準に評価すべきか?」ということに最も時間を費やしました。
多くの不動産会社が採用している評価制度は「成果主義」です。売上金額という分かりやすい物差しを使って、成果に対するインセンティブをつけて運用しています。
しかし「成果主義」は結果を見ます。「頑張って行動したけどダメだった」ことは評価しません。逆に「大して頑張らなかったけど運よく結果が出た」というときは評価されます。
私たちは「行動主義」を第一の評価基準としています。優れた成果を出す行動特性(コンピテンシー)の発揮度合いを評価します。
顧客から信頼されるのは、目に見える「具体的な行動」が全てです。正しい行動は、正しい成果のプロセスとなる。それが当社の考え方です。
なぜ売上インセンティブを採用しないのか
第2に「成果主義」にも基づいて評価しますが、これは単に売上金額ではなく「目標設定に対して、どのような成果を出したか」で評価します。
売上金額を物差しとした歩合・インセンティブは採用していません。売上が目的化(売上の為なら手段を選ばず)したり、顧客の利益より担当者の利益が優先される恐れがあるからです。
私たちが顧客へ提供するコンサルティングに求められるのは、言うまでもなく「成果」です。しかしそれは売上金額ではなく、目標と計画に対する成果です。
また、「年功」「年齢」「勤続」「生活保障」は考慮しません。当社はプロパティマネジメントのプロ集団です。あくまでも「行動」と「成果」といった個人のパフォーマンスで処遇します。
コンピテンシー評価を採用した理由
「コンピテンシー(competency)」とは、高い業績を上げる人材の行動特性のことです。ハーバード大学のマクレランド教授が1970年代に提唱した人事管理の概念で、学歴や知能、年齢と関係なく、高い成果を出す人にはその行動に共通した傾向があることが分かっています。
当社の場合、資産管理が主たる業務です。一人で全ての業務を完結することはなく、社内はもちろん取引先(協力会社)との役割分担によるチームでの成果が求められます。チームで成果を上げるには、人からの協力を得るために絶対的に「信頼されること」が必要です。
仕事において「信頼される人」の特徴とはどんなものがあるでしょうか。約束をきちんと守り決して破らない。報連相が徹底している。身だしなみやマナーがしっかりしている。不平不満(悪口)を言わない。これらはすべて特定の「行動」を表現したものです。
「行動」があって初めて「信頼」が生まれる。これが「行動主義」=「コンピテンシー評価制度」を採用するに至った最大の理由です。
社員が「ツイン・ビーにいれば、どこにでも行ける(活躍できる)人材になれるんだ」と実感すること。それは働く意欲と希望を提供することであり、最終的には社員を「豊かにする」という考え方に立っています。
3つの時間軸で評価する
当社の人事評価は、3つの時間軸で行います。
短期的視点(半年)── 成果評価
半年ごとに成果を見ていく評価です。バランス・スコア・カード(BSC)を使用し、「財務(売上)」「顧客(満足)」「プロセス」「学習と成長」の4つの視点で目標と達成基準を設定します。成果評価は賞与に反映されます。
中期的視点(1年)── 行動評価
社員の行動や能力を1年に1回評価します。環境要素に影響を受けにくい「行動」に焦点を当てることで、評価全体の妥当性を保ちます。行動評価は主に基本給に反映されます。
長期的視点(3〜5年以上)── 昇降格判定
複数年の評価を踏まえて、等級の昇降格を判定します。昇格とは仕事の責任の範囲(影響力)を広げていくことであり、期待される役割の変化です。
「絶対評価」で一人ひとりを正当に見る
当社は「絶対評価」を基本としています。「相対評価」は同じグループ内で順位をつける方法ですが、全員が評価基準に達していてもA/B/Cと順位をつけなければなりません。絶対評価なら全員Aとできます。
個々の能力や実績と評価基準を照合して判断するので、等級ごとに異なる評価基準を設けています。評価がどうなったら給与がどうなるのか、それをできる限り明らかにすることで、社員に会社が信頼される制度を目指しています。
基本給は「積上・積下方式」、賞与は「洗い替え方式」
基本給は、行動の評価による「投資価値」に対して支払います。投資価値が上がれば「昇給」し、下がれば「降給」します。物価等に併せて給与水準をアップさせる定期昇給(ベースアップ)は行いません。
賞与は、「精算価値」に対して支払います。会社の成果・業績を評価に基づき社員に還元するものです。前年の支給実績に基づき積み上げ・積み下げる基本給と異なり、賞与はその時の成果や業績によってその都度支給額を決定する「洗い替え方式」です。前年と比較して50%になることもあれば、150%になることもあり得ます。


