とある賃貸マンションのオーナーの話
今年の8月頃、賃貸事業を立ち上げて間もなく。
とあるオーナーさんにごあいさつに行ったときのことです。
このオーナーさんは、鹿児島市内にある賃貸マンションのテナントさん(借主)でした。
1Fテナントの家賃を払ってそこで商売をしていたのですが、この賃貸マンションが売りに出たのを機に、
「家賃を払うよりは購入したほうが良いだろう。」
と、この賃貸マンションのオーナーになりました。
僕と年齢的にも近く、もともと不動産に興味があったこともあり、彼が借主さんだった時から
仲良くさせてもらっている方です。
何でも出来てしまうオーナーさん
あいさつに行くと、彼は2Fの2DKタイプの空き部屋で何やら作業をしています。
この賃貸マンション。1Fはテナントで2-4F階は住居になっているのです。
「横山さん(仮称)、ご無沙汰してます。賃貸経営は上手くいっていますか?」
「それがさぁ、4月に4部屋も空いちゃって。本業そっちのけで工事で忙しいよ。」
横山さんは、とても器用な人です。
大工工事から電気・給排水工事に至るまで自分で出来てしまいます。
本業とは関係ないにも関わらず、とっくにDIYの域は超えていて、専門のリフォーム業者さんと
遜色のない腕前。
なので、入居者さんから設備不良の連絡があったら、全部自分で直してしまいます。
そして、今、2DKの空き部屋のリフォーム工事を自ら手掛けていたのです。
すごいですよね?
本人は、業者さんに頼むとお金がかかってしまうし、自分で出来てしまうので、経営の為にも
自らやっているとのこと。
でも、今は8月。かれこれ4ヶ月も空き部屋のままなのです。
それを聞いた僕は、思わず
「それじゃあ、ダメだよ。横山さん、いくらリフォーム費用が安く済んだからって、その間の空室損を
考えたら一緒でしょう。4部屋も空いてるんだったら、早く業者さんに頼んで綺麗にしてもらって
新しい入居者さんに早く入ってもらうようにしなきゃ。」
「やっぱりそうだよねぇ。」
と薄々は本人も分かってはいるものの、やっぱり人に頼むのがもったいないって気持ちが先にたつ様子。
まだ腑に落ちていない様子の彼に、立て続けに僕は、
「それに、不動産屋さんもオーナーさんが工事していたら、積極的にお客さんには紹介しないよ。」
と、言ってしまいました。
「なんで?」と横山さんが聞き返します。
「じゃあ、3日後に入居したいってお客さんがきたらどうするの?」
「それは無理だな。」
「でしょう。いつ入居できるか分からない部屋(=納期が守れない)はトラブルの元なんだから。」
「そういうことかぁ。」
と、やっと理解してくれて、他のまだ手をつけていない部屋は業者さんに頼むことにしたようです。
そして、それからしばらく経って。
後輩から横山さんの物件が1部屋決まったとの話をきいた僕は、残りの部屋の状況も気になったので
再度、横山さんを訪問してみました。
すると、
「田中君の言うとおり、業者さんに頼んで早く工事を終らせて良かったよ。
田中君の後輩が1部屋契約してくれたし、それから悩みだった3LDKの部屋なんだけどさぁ。
クリーニングをお願いした業者さんがちょうど部屋を探してて、ここを借りたいって言ってくれたんだよ。」
と嬉しそうに話してくれました。
色々な方の力を借りると、それが回りまわって、自分に帰ってくるなんて。
一人で頑張るもの大切ですが、色々な人と関わることで、人の縁ってやっぱり広がっていくのですね。
ほっとしている横山さんを見ながら、僕自身も勉強になった出来事でした。
ちなみに、画像の部屋は彼が仕上げた実際の部屋の写真です。
床材の張替え・クロス張替え・塗装・・・全部、彼一人で工事したものです。
これだけの技術があったら、「自分でやったほうが・・」って思う気持ちも分かる気がしますね(笑)。
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