株式会社ツイン・ビー 賃貸事業部
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日・祝祭日
2016年11月11日
現場管理

管理会社の役割って?

これは、僕の過去の失敗のエピソードです。

5年位前だったでしょうか?

8月の暑い夏の日、事務所に警察から電話がかかってきました。

 

「Aマンションの管理はお宅で間違いないですか?」

「はい、そうですが。。。何かあったのですか?」

「401号室に阿部さん(仮称)という方が契約していると思いますが、家宅捜索をすることになりました。」

 

「えぇー!何の事件ですか?」

「電話ではお伝えは出来ないので、鍵をもって来てもらって立会いをお願いしたいのですが。。。」

「わっ、分かりました。」

 

と、その後警察と日程の調整を行い、後日、僕はドキドキしながらマンションに向かいました。

(何があったんだろう。。まさか、中で人が死んでたりしないよな。。)

めちゃくちゃ、不安に駆られながら現地へ行くと、私服の刑事さん含め5人ほど警察の方が待機しています。

 

(おいおい、もう少し目立たないようにできないのかな?入居者さんが見たら不安がるでしょ!)

と、心の中では思いつつも、やはり401号室の中が気になります。

 

「お疲れ様です。何があったのか教えてもらえますか。」とあいさつもそぞろに即効質問してしまいました。

「実は、詐欺容疑がかかっています。よく言うオレオレ詐欺ですよ。」

どうやら、401号室がそのアジトになっているようなのです。

 

殺人犯とか暴力団とか想像していたので、詐欺と聞いて一瞬ほっとしてしまいましたが、

どちらにしても管理物件にとっては悪い事実です。

警察がインターホンを鳴らして、数回ドアを叩いて呼びかけます。

 

誰も出てきません。電気メーターを見ても、微量にしか動いていないので、不在なのは明らかでした。

僕は、警察の指示通り、会社から持ってきた管理キーで401号室の鍵を開けました。

 

中はというと、案の定誰もいません。

家財道具はほとんどなく、一式の布団とテレビだけ。そして、無数の携帯電話とリストのような紙が。。。

床にはコンビニの弁当やら空き缶などが転がっていました。

 

警察が室内をいろいろ調べた後、僕は警察に言われるまま携帯電話やリストを指差しして、

それを警察がパシャパシャ写真におさめていきました。

なんとも居心地の悪いワンショット撮影です。

 

でも、写真を撮られている間、僕の頭の中はこのあと、この部屋をどうやって明渡してもらうか?

ということばかり・・・

 

一通りの作業を終えた頃、「この後はどうなりますか?」と率直に警察に聞いてみました。

「心配させてすみません。今日で証拠も押さえましたし、ある程度潜伏先もつかんでいますから。

数日中には逮捕できると思いますから大丈夫ですよ。」

との答えが。。。

 

当たり前ですが、目的がそもそも違うので、会話がかみ合っていません(泣)。

 

「いやいや。そうじゃなくて、警察は逮捕できれば解決でしょうけど、僕はその後ここを契約解除して

明渡してもらわないといけないんですよ。。。」

 

と思わず言ってしまいました。

「あーそいうことですね。まぁ、本人もここに戻ってくることはないでしょうし。

逮捕できたら本人に伝えておきますよ。」と警察はあっさり。

 

親御さんが連帯保証人になっていたので、明渡しの交渉はそちらに賭けるしかありません。

実家が福岡なのが気がかりです。

 

翌日、警察から無事逮捕できたとの連絡がありまりた。さすがに早いな、と思いましたが、

そんなことに感心している場合ではありません。

親御さんへ連絡して、電話だけで明渡しの交渉をしなくてはいけません。

 

「阿部様のお宅でしょうか?」

「そうですが、お宅はどちらさんですか?」

と、野太い50代くらいの声です。連帯保証人のお父さん本人にコンタクトが取れました。

 

緊張で声がこわばります。

「伸介(仮称)さんの住んでいる鹿児島の賃貸マンションの管理会社の者です。突然のご連絡ですみません。」

と、あいさつをして、電話をしたいきさつを話そうとしました。

 

すると、お父さんのほうから

 

「管理会社さんですか?息子のことで、ほんとご迷惑をかけてすんません。

実は、来週鹿児島へ行こうと思うとったんです。

こっちから連絡せんといかんのに。電話もらってしまって・・」

 

幸いなことに、親御さんは僕からの電話の意図も全て分かっていました。

解約手続・明け渡しも来週に全てさせて欲しいとのこと。

詳しく聞くと、警察から息子さんの逮捕の電話があった時に、部屋の解約をするように言われていたようです。

 

噛み合っていなかった会話とは裏腹に、そんな粋な計らいをしてくれた警察に感謝したのでした。

 

「おいおい、全然失敗エピソードじゃないじゃないか!」って?

 

確かに、ここまでは上手くいった話ですよね。

ここからが失敗談です。

お父さんとマンションで面談して、荷物も引き上げ明渡してもらった後の話。

 

ほっとした僕は、空になった401号室の鍵をかけました。

そして、隣りの402号室を通ったときにふと思い出だしたのです。

「そう言えば、隣の女性の入居者さん、先月くらいに退去したよな?けっこう長く

住んでいてくれてたのに・・・」

 

どうしても気になった僕は、会社に帰ってその女性の入居者さんに電話してみました。

「差し支えなければ、退去した理由を教えてもらえませんか?」と・・・

 

答えは、嫌な予感的中で、401号室が引っ越してきてから、夜も騒がしくなって、廊下ですれ違うときに

ちょっと怖そうなお兄ちゃんたちが出入りするのが見えて、怖くなったとのこと。

 

『賃貸保証会社の保証審査が通りさえすれば入居はOK!』

家賃滞納のリスクが保証会社のお陰で減って、こんな流れが出来つつあります。

当時の僕もそうでした。保証会社の審査さえ通れば、滞納しても保証会社がやってくれる。

それで空室がひとつでも埋まるのであれば、、、と。

 

しっかり審査していたとしたら?・・・それでも、このリスクを免れられたかどうかは分かりません。

同じ結果だったかもしれません。

でも、優良な長期入居者さんが退去してしまったのは事実です。

本当にこの入居者さんには申し訳ないことをしてしまったと思っています。

 

賃貸管理会社は、空室を一日も早く埋めることは大切な仕事のひとつですが、

一方で、管理物件の環境を良好に保ち、一日でも長く入居してもらう、という使命があります。

当時の僕は、とにかく空室を埋めることばかりに必死でした。

 

オーナーの為に入居促進をしながらも、審査は慎重に。。。

あの女性の入居者さんのような方を二度と出さないようにするためにも、このバランスを取る

ことがとっても大切なんだと思います。

 

P.S.

とっても長いブログになってしまいました。最後まで読んでくださってありがとうございます。

この記事を書いた人
田中 祐介 タナカ ユウスケ
田中 祐介
空室率が年々上昇する鹿児島市の賃貸不動産事業では、事業者(オーナー)の「経営力」の差が空室率に直結する時代が訪れました。長年に渡って培った賃貸経営管理(プロパティマネジメント)の知識と経験で全力でオーナーの経営のサポートをいたします。
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